2024年5月27日
南米ほど、政治の腐敗で有名な地域はないのかもしれない。ボリビアのラパスを旅していると、地面に座り込んで、売れなさそうなキャンディーを並べて、じっとしているチョリータをよく見かけた。 📝チョリータとはボリビアの先住民族の女性。伝統的な腰回りが膨らんだ衣装を着ている。 時々、「キャンディーを買っていって」というように声をかけられた。スペイン語なのかケチュア語なのか....申し訳ないのだが、なんと言っているのか分からなかった。ひょっとすると、物乞いで「何か頂戴」ということだったのかもしれない。とにかく、「きっと貧しいんだろうな」と想像させる。 一方で、ラパスのとある地域には、お金持ちが集まる地域がある。その地域に暮らす人は、もれなくお金持ちなのだそう。ちなみに、ラパスは標高が高ければ高いほど貧しく、標高が低ければ低いほど豊からしい。お金がある人は、皆その「お金持ちが集まる地域」に暮らす。ボリビアのお金持ちといって、みんなが容易に想像できるのは、政府関係者や麻薬売買関係企業の人らしい。そして、その地域の小学校には、政治家の子どもと、麻薬売買関係企業の子どもが通う。子ども時代から交友関係が始まる。そして親世代の結びつきも強まる。こうして政治家と麻薬取引業者との癒着が深まり、永遠に改善されないままになってしまうらしい。そんな話題をボリビアで暮らす人々から聞いた数日後、エクアドルで「麻薬取引の取り締まりを強化する」と宣言していた政治家が殺された。 改革をしようとするボリビア人がいるとすれば、ボリビア周辺で発生している事件を身近に感じるだろうから....きっとものすごい怖いだろうなぁと想像するだけで体が震えた。