2025年11月11日こんにちは!🇯🇵🇻🇳国際結婚をしている友人は、周りはいらっしゃいますか?日本政府の人口動態調査によると、年々国際結婚をする人が増えています。「国際結婚」といっても、お相手がどの国籍かによってお悩みも異なるもの。今回は「ベトナム人と国際結婚 - 日本人との違いは?」と題して、ベトナム人との国際結婚における一般的な悩みと筆者の体験を記載してみたいと思います。 【言語編】 まず、国際結婚において避けて通れない課題のひとつが「言語の違い」です。パートナー同士の間に共通言語がある場合、日常生活での大きな支障は少ないかもしれません。しかし、それでも乗り越えるべき課題は少なくありません。例えば、家族・親戚・友人との関わりが挙げられます。相手のご両親や親戚とコミュニケーションを取る際、自分がその言語をある程度理解する必要が出てきたり、パートナーに通訳をお願いしなければならない場面が頻繁にあります。これは日本人同士の結婚では基本的に発生しない、国際結婚ならではの課題です。また、言語の違いは単なる「会話の不便さ」だけでなく、文化的な考え方や感情表現の差にもつながってきます。例えば、同じ言葉を使っていても、背景にある価値観や感情の伝え方が違えば、誤解・すれ違いが生まれることもあります。相手の母語を全く知らない場合、背景にある価値観を知ることも理解することも困難です。◾️筆者の体験ベトナム語学習状況:ベトナム人夫が日本語が流暢に話せることから、2人の共通言語は「日本語」です。一方で、日本人妻である筆者は、「相手の母国語でコミュニケーションを取れるようになることは、相手の文化や考え方を理解するためには必要なプロセスである」という認識のため、日々少しずつベトナム語を学習しています。学習の動機 - フランスで出会った日仏夫婦の様子:筆者がフランスで暮らしていた時、日本人とフランス人の夫婦に出会う機会が多々ありました。その多くの夫婦において、フランス人のパートナーが日本語を全くできない且つ学習する意欲が無いという状況がありました。「最愛のパートナーが自分の母国語に興味を持っていない」という状況を側から見て、筆者自身がとても寂しく感じた経験から、夫に同じ思いを絶対にさせたくないという意地みたいな部分もあります。相手の文化を尊重する姿勢の一部として、相手の言語を学ぶ事はとても重要だと考えています。日越夫婦のベトナム語環境:日本で暮らしているなかで、ベトナム語を使う機会は然程多くありません。従って、努力してベトナム語学習の時間を確保する必要があるというのが実情です。一方で、ベトナム人夫のベトナム人の友人と食事をすることは多々あります。そういった会食においては、メインの言語がベトナム語になる事が多いので、自分のベトナム語力に比例して聞き取れる情報が増減するイメージです。ベトナムの義実家に帰省する際、夫の両親や親戚の皆さんとはベトナム語でコミュニケーションを取ります。筆者のベトナム語力はA2~B1程度なので、言える範囲や聞き取れる範囲はまだまだ狭いのですが、ベトナム語のみで話すこともできるようになりました。ただ複雑な込み入った話は、全て夫に訳してもらっています。特に、夫の両親と妹には何度も会っていますし、義実家に長期で滞在した経験もあるので、私のベトナム語力に合わせて簡単な単語でゆっくりと話してくれるので、とても有難いです。 【実家の距離編】 次に、国際結婚において絶対に避けられないのが「どちらかの家族から遠くに暮らすことになる」です。海外に憧れて飛び出した若い時代は、家族からの距離が全く気にならなかったとしても、歳を重ねるにつれて感じ方が変わることもあります。現実的な問題として、「自分の両親が歳をとって手助けが必要になった時、そばにいてあげたい」という気持ちは、国際結婚の場合、夫婦のどちらかが諦めなければならないかもしれません。 ベトナム文化において、双方の両親との関わりはとても大切です。日本人の息子が自分の両親に電話する回数と、ベトナム人の息子が自分の両親に電話する回数...などの統計をとると、より明確にコミュニケーション量が測れるかもしれませんね。残念ながら統計データは持ち合わせていないのですが、ベトナム人の方が圧倒的に家族との繋がりが強い傾向にあります。その分、実家の距離が遠いという状況も、日越夫婦にとっては大きなネガティブポイントとなり得ます。◾️筆者の体験住まいと帰省頻度:私たち夫婦は、日本在住です。今後も生活のベースは日本を想定しています。ベトナムへの帰省頻度は、少なくとも年に1回を目指して計画しています。また、可能であればベトナムのお正月のタイミングで帰省できるように、仕事を調整するようにできればと考えています。ちなみに、日本のお正月は太陽暦の1月1日ですが、ベトナムのお正月は太陰暦の1月1日(太陰暦の1月末〜2月上旬頃)なので、それぞれタイミングがズレます。日越間での飛行機の便数はかなり多く、また格安航空も充実しています。週末にちょっと帰って、またすぐ戻る...という帰省の仕方もできるようになりたいなと筆者は密かに思っています。 【家族への愛編】 「実家の距離編」でも言及しましたが、一般的にベトナム人の家族への愛は、日本人のそれを遥かに上回る印象があります。そして、その家族への愛は、義実家も対象になります。◾️筆者の体験実は筆者の場合は結婚する前から、筆者自身が週末などに自分の実家にする時、ベトナム人夫も一緒に行くということが多々ありました。パートナーの家族とも交流して良い関係を築きたいと思ってくれているのが、とても嬉しかったのを良く覚えています。結婚後も、週末に夫から「今日実家に行く?」と、私の両親の家に遊びに行く事を提案してくれることも多々ありました。 【お金に対する考え方編】 日越夫婦に関するネット情報には、様々なコメントがありますが、その中でも特に多いのが「お金に対する考え方」のお話。日本で働いているベトナム人が、自分の実家に仕送りをしているという話は、然程珍しいことでは無いようです。日越夫婦において、ベトナム人のパートナーが実家に仕送りをし続けることを問題として捉えている日本人パートナーも多いようですが、「お金に対する考え方」のそもそもの違いをご紹介したいと思います。お金自体は良いものという認識はじめに前提として確認しておきたいのは、「お金=汚いもの・悪いもの」といったイメージが日本では比較的根強くある一方で、ベトナム人も同じような考えを持っているとは限らないという点です。筆者が知っているベトナム人の友人の中では、お金に対する負のイメージを比較的持っていない人が多い印象です。ベトナム人同士の会話で、お互いの使っている物品の値段を尋ねたり、給料について話したり。また、家賃がいくらか、給与がいくらか、等のお金に関するトピックを話すことは珍しことではないのです。 お金をプレゼントする文化上記のような前提があった上で、「お金をやり取りする」という事に対するイメージも、日本人と異なります。例えば、夫から妻への誕生日プレゼントが「札束」なんてパターンもあります。筆者個人的な感覚としては、諭吉の札束を誕生日プレゼントとしてもらっても、嬉しい気持ちより複雑な気持ちになりそうです。一方で、ベトナムコミュニティでは、「現金=自分の好きなものと交換できる券」であって、歓迎されるプレゼントのようです。また、Facebookやinstagramで投稿される「映える写真」として、札束プレゼントはアリの様です。子どもから親へのお金のプレゼントする文化そして、話題の「仕送り問題」についてです。両親への感謝の気持ちを現すため、両親に安心感を与えるため、実家にお金をプレゼントするというのはベトナム文化ではよくある話です。実際に両親がお金に困っているか否かなどは、家族によって異なるのでなんとも言えないですが、「お金をプレゼントして喜んでもらう」という理由で、送る人もいるようです。また、日本とベトナムで税制が異なるのも背景にあります。ベトナムには相続税がありません。両親が受け取ったお金をそのまま使わずに貯めたり投資したりすることもありますが、それらの資産を子どもに相続する時に税金はかかりません。日本では、相続税対策で早々に親から子どもに資産譲渡をしていく戦略を立てる家庭もありますが、ベトナムではそもそも相続税がないので、対策は全く必要ありません。従って、子どもから親へのお金のプレゼントは、日本と異なって税制的にも何ら問題がないという実情があります。◾️筆者の体験談筆者夫婦はベトナムの実家や親戚から仕送りを依頼されるということは全くありません。一方で、家族想いのベトナム人夫は、新入社員として働き始めた当初から、3つの目的で両親へ送金をしていました。① 両親へ感謝の気持ちを示すため② 「日本で就職し、送金する余裕があるくらいしっかりやっているよ!」と両親を安心させるため → 「お母さんにお金を持って帰る」というタイトルの曲がベトナムで大ヒットソングになっています 日本語訳を作成しているのでよければ覗いてみてください 詳細はこちら:【ベトナム語】「Mang Tiền Về Cho Mẹ」を日本語に訳してみた③ 家族の扶養制度で控除を受けるため →…
2025年10月28日こんにちは!🌏日本人とベトナム人のカップルや夫婦が少しずつ増えている昨今、ベトナム人の彼女・彼と一緒に海外旅行を計画する人も多いと思います。 海外旅行をする際に、日越カップルでよく話題になるのが、「渡航のために必要な手続きの違い」です。日本のパスポートで海外旅行をする場合と、ベトナムのパスポートで海外旅行をする場合に必要な手続きが異なるケースが多いのです。今回は、日本で暮らすベトナム人がヨーロッパのビザ(シェンゲンビザ)を申請するために必要なプロセスを纏めます。当該記事は、筆者の夫が執筆した以下のベトナム語の投稿を元に作成しています。もしよければ、ベトナム人のパートナーに共有してみてください🥰 ⚠️大使館のサイトも併せて確認して、正しい書類を準備するようにしましょう今回は、日本からフランスへビザ申請をした際の体験談を纏めます。私は11月13日(月)にフランス大使館で申請を行い、なんと11月17日には自宅にパスポートが届きました。 つまり、申請からわずか4〜5日で発行されたことになります。早いですね! この記事では、フランス大使館の公式チェックリストに沿って、準備から申請までの流れを丁寧にご紹介します。これから申請を考えている方の参考になれば幸いです。 ステップ1:申請前の準備 渡航先を明確に決める まずはっきりさせるべきなのは、「どの国でビザを申請するか」です。シェンゲンビザは最長滞在する国の大使館で申請します。1か国でシェンゲンビザを取得すれば、EU圏内の複数の国を周遊することができます。行きたい国の大使館の公式サイトで、申請手続きや必要書類を必ず確認しましょう。 日本語情報を活用する 日本に住んでいる方にとって、日本語での情報はとても大切です。書類の準備や問い合わせなど、日本語で対応できる環境を整えることで手続きがぐっとスムーズになります。また、ビザ情報も日本語ページの方が理解しやすい場合が多いです。 渡航資金を準備する 私は約40万円を用意しました。国際決済カード(Visaのデビットカード)を持っていたため、これで十分でした。もしカードをお持ちでない場合は、50万円前後を目安に準備しておくと安心です。 国際決クレジットカードを準備する 海外旅行ではクレジットカードは必須アイテムです。まだ持っていない方は、早めに銀行で発行しておくことをおすすめします。 利用限度額の設定について利用限度額(1か月に使用できる金額)は、20〜30万円程度に設定するのが理想です。 ステップ2:必要書類の準備 1. ビザ申請書 大使館の公式サイトからダウンロードします。 2.…
2024年9月12日こんにちは!🌏国際結婚をしている友人は、周りはいますか?日本政府の人口動態調査によると、国際結婚をする人は年々増えているようです。幸せな国際結婚だったとしても、国際結婚ならではの苦労や悩みがあるようです。 【言語の悩み】義理の両親とは外国語を用いなければならない 国際結婚の場合、お互いの母国語は異なります。もちろん、義理の両親の母国語と自分の母国語は違う言語になります。したがって、義理の両親とのコミュニケーションには、彼らの母国語、またはその他の共通言語を用いることになります。 【距離の悩み】どちらかの家族から必ず遠くに暮らすことになる 国際結婚の場合、絶対に避けられないのが「どちらかの家族から遠くに暮らすことになる」です。 海外に憧れて飛び出した若い時代は、家族からの距離が全く気にならなかったとしても、歳を重ねるにつれて、感じ方が変わることもあります。現実的な問題として、「自分の両親が歳をとって手助けが必要になった時、そばにいてあげたい」という気持ちは、国際結婚の場合、夫婦のどちらかが諦めなければならないかもしれません。 【教育の悩み】子どもの言語教育に悩む 国際結婚の悩みあるある、子どもの言語教育に関する悩みです。子どもにとって、暮らしている地域の言語の習得は簡単です。反対に、生活で使っていない言語の習得は親の努力に依存してしまいます。それもあって、子どもの言語教育に頭を悩ませる国際結婚夫婦は多いんです。実際に、フランスの日本語学校で働いていた時に、日仏家庭の子ども達の日本語学習の様子を間近にみることができました。 日本人同士のカップルにはないであろう、多言語教育の悩みがあるのですね! 【お笑いの悩み】相手の爆笑の理由が時々分からない 笑いのツボが文化によって異なるということをご存知ですか? ・夫が大爆笑してみていた動画を「私もみたい!」と思って覗いたが、何が面白いのか分からなかった・日本のお笑い番組を見せても笑わないので、笑いのポイントを解説してみたが、面白さが伝わらなかった 【仕事の悩み】どちらかが職場での昇格が不利になりやすい 日本人男性と日本人女性では、日本人男性の方が昇格しやすい環境が、今尚あります。ヨーロッパの国々では、白人男性の方が、有色人種男性より昇格しやすい環境が、今尚あります。残念ながら、上記のような性差別・人種差別が存在する2024年現在、外国籍の場合、企業での昇格が不利になることがあります。ローカルの昇格を優先するため、外国人の昇格が適切に行われないケースです。したがって、国際結婚においては、どちらかが現地人と対等に扱われずに苦労してしまうことがあります。 最後に 国際結婚で苦労すること・悩むこと、と題して、5つの悩みをご紹介しました。実は、筆者自身も国際結婚をした身ですが、結婚する前は国際結婚に怯えていました。笑国際結婚をすると大変なことを、パートナーと話し合って話し合って話し合って、結局結婚に至りました。人生なんでもなるようになるので、心配しすぎることは不要ですが、国際結婚ならではの悩みが知りたい方のご参考になれば幸いです😙 それでは、また!🌏
2024年5月21日こんにちは!🇻🇳今回は、ズンと千晶の人生と世界一周旅行について、ベトナムの新聞社からインタビューを受け、その内容が記事として発行されましたので、記事のリンク集を公開します。 DAN TRI ザンチー新聞 DAN TRIは、ベトナム国内で最も発行部数の多い代表的な新聞で、日本でいえば「読売新聞」や「朝日新聞」にあたります。 DAN TRIの新聞記事の日本語訳版は、下記の記事をご参考ください☺️ VIETNAM NET ベトナムネット新聞 Vietnam Netは、ベトナムのオンライン新聞です。グローバル向け発信も実施しており、英語・フランス語・ロシア語・中国語・日本語など様々な外国語でも発信をしています。 VIETNAM NETの新聞記事の日本語訳版は、下記の記事をご参考ください。 TUOI TRE トゥオイチェー新聞 「Tuổi Trẻ」は、ベトナム・ホーチミン市を拠点とする日刊紙で、青年層向けの新聞としてスタートし、現在ではベトナム内で最も影響力のあるメディアのひとつです。英語版「Tuoi…
2024年4月7日こんにちは!🇯🇵🇻🇳ベトナム人とお付き合いして10年目、結婚して3年目の筆者から、「ベトナム人と結婚する前に知っておきたい5つの価値観」と題して、ベトナム人をより良く理解するためのポイントをご紹介したいと思います。 その1 家族を大切にする 「ベトナム人と結婚する前に知っておきたい価値観その1」は、家族を大切にする、ということ。日本人が家族を大切にしないという訳ではないのですが、日本人の家族の繋がりよりも、ベトナム人の家族の繋がりの方がより強い印象です。 自分のことを産み育ててくれた両親よりも大切な存在は無いという前提です。家族に何かあった時には、自分にできる範囲で協力するのは当たり前と考えています。そして、それは結婚したパートナーの両親(義理の両親)も同じこと。自分の両親とパートナーの両親を、それぞれ大切にしたいと心から思ってくれます。 日本人男性が家族の面倒の一切を日本人女性に任せて、自分は仕事に集中して夜まで帰らない...なんて、イメージを聞いた事がありませんか?ベトナムでは、明確に仕事よりも家族が優先です。仕事のために、家族を放置するなんてことは、あり得ません。仕事は、家族との幸せな暮らしのためにするもの、という考え方です。 その2 ご先祖を大切にする 「ベトナム人と結婚する前に知っておきたい価値観その2」は、ご先祖を大切にする、ということ。日本人同士の結婚ではあまり話題にならない『宗教』ですが、国際結婚の時は相手の宗教観を知ることはとても大切だと考えます。「価値観その1 家族を大切にする」と繋がりますが、ベトナム人はご先祖を大切にします。ベトナム人のお家には、必ずと言っていいほど立派な祭壇があります。祭壇には先祖の写真を飾り、 毎月1日と15日には、お花や果物などをお供えするのが一般的です。自分の祖父母または両親が亡くなった後も、定期的に彼らを想い、手を合わせます。 その3 ベトナムという国・文化を誇りに思っている 「ベトナム人と結婚する前に知っておきたい価値観その3」は、ベトナムという国を誇りに思っている、ということ。日本人の貴方は、「日本が好きだ!」という気持ちをどれくらい持っているでしょうか?「まぁ、普通かな?」なんて回答が多数を占めそうです。一方で、ベトナム人は、ほぼ全てのベトナム人がベトナムという国を誇りに思い、且つベトナムが大好きです。 特にサッカーで盛り上がるナショナリズムは、圧巻です!日本では、学校教育の場で「国家を歌わない教師」が問題になっていましたが、ベトナムでそんなことはあり得ません。そもそも、ベトナムを誇りに思わない教師が存在しません。 引用元:Chùm ảnh: Hà Nội thức đêm ăn mừng chiến…




