海外大学・大学院に留学していると、
海外からの就職活動ってどうすればいいの?
そもそも日本の就活に参加できるの?
と不安になる学生も多いのではないでしょうか。
私自身も海外大学に在学しながら、日本での就職活動を経験しました。
時差、情報不足、孤独感など、国内就活とは全く違う壁もありましたが、同時に違うからこそのメリットもあります。
この記事では、
「海外大学留学中に私がどのように就職活動を進めたのか」
「実際にやってよかったこと・失敗したこと」を、体験ベースでまとめています。
これから大学留学予定の方、現在海外大学留学中で就活に悩んでいる方にとって、少しでも道しるべになれば幸いです 🌏️ 🎓️
海外大学留学中の就職の選択肢
海外大学に留学している学生の就職活動のパターンは、大きく分けて次の2つです。
- 🇯🇵 日本の新卒採用枠で就職を目指す
- 🌏️ 現地企業での就職をを目指す
筆者の場合は、海外大学に在学したまま、日本企業の新卒採用に参加するという形で就職活動をすすめました。
したがって、上記の「🇯🇵 日本の新卒採用枠で就職を目指す」ことを前提に当該記事をまとめます。
「🌏️ 現地企業での就職をを目指す」という方は、プロセスが異なるのでご注意ください。
最近ではオンライン説明会やオンライン面接が一般化したことで、海外留学中でも日本の就活に参加しやすくなっています。
ただし、情報量や環境面では不利になる場面も多く、工夫は必須だと感じています。
海外大学留学中の就職活動で直面したリアルな課題
① 情報不足と孤独感
まずはじめに挙げられる課題として、「情報不足と孤独感」があります。
日本で就職活動をする場合、他の学生も含めて一斉にその季節が始まりますね。友人と色々情報共有をしながら進めることもできると思います。
また、日本の大学側から提供されている就職活動支援などもあることが多いように思います。
一方で、海外大学留学中の場合、以下のような減少が発生します。
- そもそもクラスメイトに日本人がいない!
- 日本国内の就活タイミングとズレるため、
一緒に就職活動をする友人が少ない! - 在学中の大学からのサポートが全くない!
他のみんなはどうやって就職活動を進めているんだろう?
海外にいると日本の就職活動の流れとはタイミングが異なりますし、参加できるイベント等も限られてしまいます。
「みんなと一緒に」進める感覚はほぼ無く、一人孤独に情報収集をして進めて行く必要があります。
また、留学している国によって環境は異なると思いますが、「大学時代から新卒採用を狙って就職活動をする」という文化がない国も多いのが実情です。
筆者が留学していたフランスの場合、インターンで業務経験を重ねて行くことはありますが、「新卒採用の就職活動」を在学中に進めることはありません。従って、大学の教授達も日本の就職活動に関する理解がないことが多いです。
② 留学生活との両立
次に課題として挙げられるのは、「新卒採用を目指した就職活動のイベント」に参加するタイミングで、レポートや試験期間が重なることあるということ。
日本の大学の場合、就職活動が始まるタイミングで「大量の課題がある」「多数の試験を控えている」というケースは稀なのではないでしょうか。
一方で、在学中の就職活動が一般的でない国の場合、もちろん就職活動への配慮は一切ないので、学業と平行しながら進める苦労があります。
筆者も「重要な就活イベント」に参加するタイミングと、大学内で実施する「重要なプレゼンテーション」の日が重複してしまったことがありました。
大学の教授に自分の進路や日本の就職活動の状況を説明し、どうしてもプレゼンテーションの日に参加できないことを理解いただきました。
海外大学留学中に就活を始めたタイミング【体験談】
筆者が就職活動を意識し始めたのは、大学留学をスタートした時点からでした。
そもそも、現地就職をするという選択肢は検討しておらず、ゆくゆくは日本に帰国して仕事をする想定でいたため、大学留学開始した当初から日本の就職活動は意識していました。
前提として、筆者はフランスの大学に所属していたため、学士課程は3年間です。従って、「1~2年次」「3年次」の2つのフェーズに切り分けて、実際の体験をご紹介したいと思います。
大学1~2年次 ゆるやかに就活開始
最初にやったことは、以下の3つです。
- 業界・企業研究
- 就活イベントへの参加
- 自己分析
特に自己分析は、自分自身の留学を決めた理由や実際に留学生活の中で得たいこと・得たことを言語化する作業から始めました。
留学中は日々の生活や学業をこなしているだけで時間が過ぎてゆくものです。
「そもそもの目的はなんだったのか?」「ここから何を目指したいのか?」等、自問自答する時間を作り、自分の考えを整理することが大切だと思います。
また、「自分は将来どんな仕事をしたいのか」「自分は将来どんな業界で働きたいのか」を考えました。社会に出て働いて初めて見えることの方が多々ありますが、学生時代から様々な職業が存在することを知り、自分がやりたい事か、自分にできる事か、じっくり検討することが大切です。
大学1~2年次 キャリアフォーラム見学
就活イベントへの参加については、留学生の間では有名な「キャリアフォーラム」の情報を積極的に見ていました。
選考直結型の日英バイリンガル就職イベントとして有名なキャリアフォーラムは、東京・ボストン・ロンドン・ロサンゼルス等で実施されます。
大学最終年次になる前から、参加できるイベントに顔を出していました。どのような企業が参加しているのか、その企業が就活生に向けてどのような情報を発信しているのかを眺める時間を設けていました。
筆者が留学していたフランスで実施されるキャリアフォーラムは当時からありませんでした。一番アクセスがしやすいロンドンキャリアフォーラムに2回参加したんだって。
大学3年次 ボストンキャリアフォーラム参加
海外大学留学生の就活イベントの本番とも言える「ボストンキャリアフォーラム」へ参加。
事前準備は書かせませんが、3日間の日程で面接や面談をこなし、内定までプロセスを進めることができます。
ボストンキャリアフォーラムは、直近も毎年実施されています。
■日程
BOSTON CAREER FORUM 2025
2025年11月21日(金)- 23日(日)195社参加

ボストンキャリアフォーラムは、毎年11月下旬に行われているよ
ボストンの冬はかなり冷え込むので温かい格好をして臨みましょう!
■場所
Thomas M. Menino Convention & Exhibition Center
当日、会場を目指して本当に沢山の日本人学生が集まります。「バイリンガル」が対象とされていますが、ほとんどが日本人学生です。
(英語が母国語で日本語ができる学生…はマイノリティの印象でした。)
ボストンの街に、突如としてリクルートスーツの日本人学生が大量発生するので、なんとも異様な雰囲気です(笑)
■注意事項
<当日の動き方・事前準備>
ボストンキャリアフォーラムの3日の日程のうち、2日目には内定を確保するというのが王道のようです。
ただし、そのためにはキャリアフォーラム当日に応募をするのではなく、事前に応募を完了し、最終プロセスのみを残した状態でボストンに向かうイメージで準備をすることが必須です。
基本的に、ボストンキャリアフォーラムに出展する企業の「新卒採用ホームページ」には、別途選考スケジュールが掲載されており、事前選考のプロセスが明記されています。レジュメの提出や、オンライン面接、企業によっては自己紹介動画・写真の提出などを求められます。十分に確認の上、各社が設けている期限内に必要な書類を提出しましょう。
例:2025年ボストンキャリアフォーラムの参加企業リスト
当日に出会った日本人学生で「どのブースに行こうかな?」なんて話している人もいましたが、海外大学留学中のメンバーでここで内定を狙っている人は温度感が違いました。
当日にラストチャンスでレジュメを提出する企業があったとしても、会場で探しているのでは非効率的です。事前に会場のどこに自分が狙う企業があるのか把握しておきましょう。
ちなみに、キャリアフォーラムには語学留学中の学生や、日本の大学在学中の学生も参加します。様々なバックグラウンドの学生が一挙に集まるので、それぞれの活動のペースが異なることもありますが、事前に準備した自分のプランを信じて進めましょう!🗺️
<宿泊場所について>
日本人学生が殺到するため、会場付近のホテルやホステルが満室になる現象が発生します。
参加を決めたら早めの段階で宿泊場所を確保しましょう。
<内定者懇親会について>
企業によっては、内定が出た直後の夕食へ招いてくれるケースもあります。例え内定を受諾していなかったとしても、招待されたりします。積極的に参加し、未来の先輩や上司になりうるメンバーと交流してみましょう!
翌日のキャリアフォーラムの日程等もあるので、あまり遅くなることはありませんが、懇親会がある可能性も踏まえて、宿泊先はあまり遠方にしない方が得策と考えます。
留学経験は就職活動でどう評価されたのか?
個人的な体験としては、「海外大学留学」自体がネガティブに評価されることはまず無い印象です。
『自らの意思で、一般的でない進路を選んで、情報収集し、計画し、実行した』というだけでも、高評価される印象です。
大手の総合商社やコンサルティングファーム等からも、面接や集団面接等含めたステップにお声がけいただくことは多々ありました。
ただし、留学=すごい、という訳ではなくて、「なぜ留学することにしたのか?」などのよくある問いに対して、自分の言葉で説得力を持って話せる必要があるみたいだよ。
海外で暮らす事自体が評価されるわけではないよね。
何を目指しているのか、何を得たのか、言語化する力が必要だね。
海外留学と就職活動は、決して相反するものではありません。
自分なりの軸を持つことで、両立は十分可能だと感じています。
まとめ|海外大学留学中でも就職活動はできる!
海外大学留学中の就職活動は、日本にいる学生と比べると、チャンスが限られていたり、情報が限られていたりするため、確かに簡単ではありません。
ですが、工夫と準備次第で十分に戦える環境でもあります。
留学という貴重な経験を、ただの「肩書き」で終わらせず、自分の言葉で語れるようにすることが何より大切です。
この記事が、留学中に就活で悩んでいる誰かの背中を、少しでも押せたら嬉しいです。
それでは、また!🎓️
