外国語レベルの曖昧な指標

こんにちは!

私は外国語を勉強するのが好きです。数か国語を学んでいるので、

何国語話せるの?どれくらい話せる?



聞かれることがあります。ただこの質問、なんとも答えにくいのです。
・旅行先で使えるレベル
・日常会話レベル
・ビジネスレベル
・お笑い番組でネイティブと一緒に笑えるレベル… (笑)
色々な表現の仕方がありますが、どれも曖昧な表現で、実際にどれくらいその外国語を使えるのか分かりません。

そこで便利なのが今回紹介する「CEFR(セファール)ヨーロッパ言語共通参照枠」です。

ビシッと明確に自分の外国語のレベルを表現するために
便利な指標をご紹介します!

外国語レベルを測る指標「CEFR」とは


「ヨーロッパ言語共通参照枠」とは、言語能力を測るための国際基準です。CEFRは、The Common European Framework of Reference for Languagesの略称です。名前の通り、ヨーロッパ発祥のフレームワークですが、最近は中国語やベトナム語等の試験でも活用されています。

CEFRでは、外国語レベルを以下の4つの能力に分けて評価します。

・読む 読解
・聞く 聴解
・書く 文書作成
・話す 口頭表現

<メモ>

例えば、英語の試験として有名な「TOEIC Listening & Reading Test」は、読解力と聴解力は測ることができますが、文書作成力と口頭表現力は測れません。
他にも、外国人向けの日本語の試験として有名な「JLPT 日本語能力試験」も、文書作成能力と口頭表現力は一切問われません。
一方で、CEFRの基準では4つの領域全て同一のレベルに達しているかどうかを把握することができます。

CEFRの段階別言語レベル

CEFRでは、外国語の熟達度をA1, A2, B1, B2, C1, C2の6段階に分けて評価します。
一番低いレベルは「A1:学習を始めたばかりの初学者レベル」、一番高いレベルは「C2:母語話者と遜色ない熟練者」として定義されています。

イメージ:筆者作
<参考>
– ブリティッシュ・カウンシル
  https://www.britishcouncil.jp/programmes/english-education/updates/4skills/about/cefr
  (最終閲覧日: 2023年7月6日)

– Wikipedia ヨーロッパ言語共通参照枠
  https://ja.wikipedia.org/wiki/ヨーロッパ言語共通参照枠
  (最終閲覧日 : 2023年7月6日)

A1からC2までの各レベルの定義は以下の通りです。
文部科学省が大学入学共通テストを検討する際に、このCEFRの基準も参考にされているようです。

文部科学省 「大学入学共通テスト」検討資料より抜粋

CEFRと外国語試験のレベル分け

日本には、様々な外国語試験があります。例えば、中国語検定協会が実施している「中国語検定」や、日本東南アジア言語普及交流協会が実施している「実用ベトナム語技能検定試験」などは、「6級」から「1級」など「級」でレベルが区分けされています。ただし、中国語検定の4級と、実用ベトナム語技能検定試験の4級が、同等レベルを指しているのかは、検証が必要です。

一方で、試験名にCEFRのレベルが採用されている場合は、言語が異なる場合も同じ外国語レベルであることが証明できます。
例えば、フランス語の「DALF C1」とスペイン語の「DELE C1」は、言語は異なるものの其々の外国語レベルが同等であることが分かります。

ヨーロッパの言語の試験では試験名にそもそもA1~C2と記載されていることが多いです。

 (例)
 ・🇫🇷 フランス語:
  DELF / DALFフランス語能力試験
  DELF A1
  DELF A2
  DELF B1
  DELF B2
  DALF C1
  DALF C2

 ・🇩🇪 ドイツ語:
  ゲーテドイツ語検定試験
  GOETHE-ZERTIFIKAT A1
  GOETHE-ZERTIFIKAT A2
  GOETHE-ZERTIFIKAT B1
  GOETHE-ZERTIFIKAT B2
  GOETHE-ZERTIFIKAT C1
  GOETHE-ZERTIFIKAT C2


 ・🇮🇹 イタリア語:
  CLIQイタリア語能力試験

 ・🇪🇸 スペイン語:
  DELEスペイン語検定
 

まとめ

今回の記事では、「自分の外国語のレベルを表現するために便利な指標:CEFR」をご紹介しました。
今後、当該ブログの中の言語に関する投稿では「A1~C2」等の表現が登場すると思うので、ご参考いただけたらと思います。
また、あなたが学んでいる言語は、A1~C2のどのレベルでしょうか?ぜひ、ご自身の言語学習の指標としても活用してみてください。







それでは、また!