Tag: ブラジル

  • 2024年1月18日
    日本でもよく見かける「カシューナッツ」。さて、貴方は「カシューナッツ」の実を見たことがありますか?「カシューナッツ」に毒があるって知っていましたか?身近な食材なのに、実のところその正体は意外と知られていません。ブラジル出身の友人が教えてくれえた「カシューナッツの秘密」をご紹介したいと思います! 私たちがよく見る「カシューナッツ」 日本のスーパーに必ずあると言っても過言でない、カシューナッツ。おそらく、食べたことが無いという方はほとんどいないのではないでしょうか。 一方で、カシューナッツの「実」を実際に見たことがある方は少ないかもしれませんね。日本では栽培されていないカシューナッツの「実」、その名も「カシューアップル」をご紹介したいと思います。 ほとんど知られていない「カシューアップル」の正体 橙色のピーマンのような形の果物、これが「カシューアップル」です。私たちが普段食べている「カシューナッツ」は、この果実から採れるのです!カシューアップルは、南米・ブラジルが原産の果物。16世紀頃、ポルトガル人によるブラジルの植民地化をきっかけに、世界各地へと広まったと言われています。 カシューアップル果実の上に「ちょこん」とついているベージュの部位に、私たちがよく知っているカシューナッツが入っています。 実は、このベージュの殻の部分には毒があるため、生のままでは決して食べることができません。 一方で、橙色の実の部分は、そのまま果物として食べることができます。橙色のカシューアップルの実を半分にカットしてみましょう。 橙色の果実を半分に切ると、中はスポンジ質になっていて、果汁たっぷり。噛む度に「じゅわ〜」と甘酸っぱい果汁が広がります。名前に「アップル」とある通り、少しリンゴのような風味もあります。ただ、果汁には少し苦味もある独特な味わいです。ブラジルでは、家庭で食べる果物として有名だそうです。 「カシューナッツ」を作るプロセス 日本のスーパーに並ぶカシューナッツは、カシューアップルの上部についているナッツ部分だけを丁寧に収穫・加工したものです。その工程を知ると、一粒の価値がより深く感じられます😄◾️カシューナッツが出来るまでのステップ1. 殻つきの生カシューナッツを天日干しする2. 高温蒸(スチームロースト)処理を行い毒素を蒸発させる3. さらに煎(ドライロースト)処理を行う4. 殻割り・殻むき、品質選別を行う5. 出荷・流通へこうして手間ひまかけて加工されたカシューナッツが、私たちの手元に届いているというわけです🥹 Youtubeなどでは、カシューナッツ加工の過程を紹介するドキュメンタリーを見ることができます。カシューナッツが日本のスーパーに大量に並んでいるのは、この動画に登場する過酷な労働の上に成り立っているのだと思うと、感謝せずにはいられません。 カシューナッツを口にするときは、1粒1粒のために手仕事があったことを忘れずに、大切に食べたいと思います....それにしても、ナッツを収穫されたあとのカシューアップルの実の部分は、その後どうなってしまうのでしょうか? それでは、また。🇧🇷
  • 2023年11月9日
    「今、アマゾンの森が燃えている」と聞いて、あなたは驚きますか?いままでの人生の中で、森林破壊の問題について、どこかで耳にしたことがあるはずです。アマゾンの森に火を放ち、そこで農業をする「焼畑農業」と、それが国際社会で問題として取り上げられたということを。 そうなんです。なんとアマゾンの森は、今日も燃え続けています。(2023年11月現在)今回は、私たちがアマゾン川流域に滞在した際に、現地の人から聞いた話に基づいて「アマゾンの森林破壊」についてご紹介します。 アマゾンの土地は痩せている 燃えている話の前に、まずはアマゾン川流域の土地について、お話したいと思います。アマゾンといえば、広大な森林と雄大な河をイメージするかと思います。そして、鬱蒼と茂る緑から、アマゾンの土地が栄養価が高い肥えた土地だと思うことでしょう。アマゾン地域を畑にしたら、放っておいても草木がどんどん成長しそうですよね?残念ながら、アマゾンの土壌に栄養価は殆ど無いんです。 理由は簡単。「植物が全て吸収している状態」からです。アマゾンの森林では、・木々から葉が落ちる、老木が倒れる・葉や木が腐って栄養となる・栄養を使って木が育つという循環を繰り返し続けています。その循環の中にある「栄養」がどこに留まっているかというと、土ではなく、植物になのです。 「アマゾンを燃やして農業をする」と、さぞかし良い農作物が簡単にできるようなイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれません。しかし残念ながら、焼畑農業をした土地を継続利用することは難しく、大量の肥料を購入して利用し続けないことには、農作物が育たない環境なのです。 アマゾンの森を通る道路から枯れてゆく アマゾンの土地が痩せているため、栄養循環の鍵が「葉や木が腐る」ということは、想像いただけたと思います。そして「葉や木が腐る」ためには、湿度が必要です。実際に、アマゾンの森林の中は湿度が高く、菌類も繁殖しやすい状態だそうです。 一方で、人間の生活範囲を広げるために道路などを建設すると、道路と隣接する部分が外気に触れて、湿度が一気に低下します。道路に面している部分の森林は、乾燥して「葉や木が腐る」スピードが遅くなってしまいます。 <おまけ>ちなみに、2023年11月9日現在、アマゾン近郊のマナウスでは "酷暑警報"が発令されています。道路が焼けるような暑さになる事で、森林が保っていた水分がどんどん蒸発してしまいます。私たちがマナウスに滞在していた期間、アマゾン川の水量が日々減少しているのを目の当たりにしました。 今、アマゾンの森が燃えている 今、本当にアマゾンの森は燃えています。(2023年11月現在)日々、燃えている/燃やされている状態です。マナウス在住の友人によると、私たちがアマゾン近郊の街 Manaus マナウスに到着した1週間前は、アマゾンが燃えている煙で街の空気が霞んでいたそうです。どのような理由で燃えているのか、2パターンに分けて見てみましょう。 理由1:自然に発生する森林火災 森林火災というキーワードを近年よく耳にするようになりました。2023年8月にハワイのマウイ島で森林火災があった事は、日本でもニュースになっていたと思います。アマゾンの森林でも、森林火災は発生しています。本来であれば、高湿度を保っている森林ですから、森林火災が大規模になることは稀でした。ただ、前述した通り、道路などを多数建設したことが原因で湿度が下がってしまった部分は、大規模火災に発展してしまうようです。 理由2:人工的に発生させる森林火災 人工的に発生させる森林火災、それは「焼畑農業」です。森林を燃やして土地を開拓し、そこで農業を営む。ただし、問題があります。皆さん既にご存知の通り、「アマゾンの土地は痩せている」という事です。継続してその土地を使い続けて農作物を育てて利益を得るためには、大量の肥料を仕入れる必要があります。とある店舗の所有者が「利益を二倍にしたい、何か方法は無いか。」と言った時、「簡単です。店舗をもうひとつ増やせば良い」と、答えた... なんて珍回答を聞いた事がありますか。(ありませんか。笑)そんな要領で、アマゾンの別の土地が更に燃やされるという事態が、今現在発生しています。…
  • 2023年11月7日
    あなたが日本人で、日本で暮らしているならば、自分自身が人種差別されることは勿論ないでしょう。一方で、ブラジル人がブラジルで暮らしていても、人種差別を受けることがあります。先祖代々ブラジルで生きてきた、歴史ある由緒正しい家系の「本当のブラジル人」だったとしても。 今回は、ブラジル出身の友人が語ってくれたブラジルの人種差別問題についてご紹介したいと思います。 ブラジルの人種構成 ブラジルは、様々な人種で構成されています。街中を歩いている時も様々な人種と出会うことができる、いわゆる「人種の坩堝」です。2010年の統計では、構成比率は以下のようになっています。 ブラジルにおける人種構成 先住民族 インディオ 0.4% アジア人 1.1% 黒人 7.6% 混血 43.1% 白人 47.7% ◾️メモブラジルの人口における先住民族の割合は0.4%とかなり少ないということを、覚えておいていただけると、この後の話が理解しやすいと思います。 ブラジルの奴隷と移民 先住民族以外の人種は、主に1500年代以降にブラジルに渡った移民です。現代社会でもなお、人種差別が色濃く残っている国は多々ありますが、ブラジルも例外ではありません。1500年以降に移民してきた白人の方が、「本当のブラジル人」とも言える先住民族の人たちよりも社会的立場が高いことが多いのです。先住民族だけでなく、黒人も同様に虐げられてきました。ポルトガルによる悪政により、世界で一番黒人奴隷を輸入していた国は、ブラジルだったことをご存知でしょうか。また、アメリカの奴隷解放宣言に続き、次々と南米各地で奴隷は解放されましたが、最も対応が遅かったのが、ブラジルだったのです。 300年以上続いた奴隷制度と白人至上主義の影響が、今なお残っているのが現在のブラジルです。 さて、実は日本からも、たくさんの人がブラジルに移り住んでいました。1908年の笹戸丸の集団移住を初めとして、沢山の客船が太平洋を行き来し、20万人を超える移民者を記録しました。…