外国人の行動に、「え?」と驚いたことはありますか?
自分が当たり前だと想っている事と、全く異なる行動をされて、戸惑ったり怒りを感じたりした事はありますか?

あの外国人、あんなことするなんて!!信じられない!!怒

どうしたの!?怒る前に、もう一度、あなたが考えている「当たり前」って、本当に当たり前なのか振り返ってみて。意外と日本独特なものかも。

そうは言っても、あんなことやこんなこと… あり得ないよ!

国や地域によって、「当たり前」とされていることが、本当に全く違うんだよ。その人の育った国や地域では、全く問題ないことなのかも。

そうか…ちょっと深呼吸して考えてみる…



「当たり前」なことは、意外と「当たり前」じゃない

「普通は、こうするものだ」と、あなたが考えていることは、本当に「普通」のことでしょうか。

異文化に触れるという事は、時に小さい頃から教育されてきた事が覆されるような体験をすること。受け入れられる事もあれば、受け入れ難い事もあると思います。

ただ、相手の異文化を拒否するのではなくて、自分が信じている「当たり前」が、案外「当たり前」でない可能性もあることを知っておきたいものです。
それが異文化理解のはじめの一歩として、重要だと考えます。


日本と他国の「常識」の違い


日本でいわゆる常識とされていることを見てみましょう。


あなたも「普通だな」「当たり前だな」と思うかどうか、チェックしてみてください😀

日本で「当たり前」とされていることの例

生活編

  • 遅刻したら謝るのは当たり前だ
  • 列に並ぶのは当たり前、列への割り込みはあり得ない
  • 靴で家に入るのは嫌、布団に土足のまま横になるなんてあり得ない
  • お店に入店したら、「いらっしゃいませ!」と歓迎されるのは当たり前だ
  • 道を尋ねられた時、分からない場合は「わからない」と伝えるのは普通だ

仕事編

  • 名刺を渡す時、両手で渡すのは当たり前、片手で手渡すのは失礼だ
  • 仕事中にスマホをいじらないのは当たり前だ

交通編

  • 電車の中で、電話を控えるのは当たり前だ
  • バスの運賃を支払って乗車するのは当たり前だ
  • 電車の切符を購入する時、男女共に同じ列に並ぶのは当たり前だ
  • 降りる人優先、その後乗車するのは当たり前だ

食事編

  • 牛肉・豚肉・鶏肉の焼き肉は、大抵みんな大好きだ
  • ラーメンをすすって食べるのは当たり前だ
  • 食事中に「ゲボ」と、ゲップをするのは良くない
  • 「くちゃくちゃ」と、咀嚼音をたてて食べるのは良くない


上記の項目のなかで、いくつ「普通のことだ」「常識だ」と感じたでしょうか。

みんなこれが当たり前だと思ってるんじゃないかな?


実は、これはどれも国によっては当たり前ではありません。
上記の例に沿って、他の国では異なる「当たり前」を少し覗いてみましょう。

日本と異なることが「当たり前」とされる例

生活編

  • 🇲🇽 遅刻していくのが普通、特に謝ることではない
  • 🇨🇳 列は関係ない、割り込んで入った人が優先
  • 🇫🇷 家は土足。布団に靴のまま横になっても問題ない
  • 🇫🇷 お店に入店したら、客からも「こんにちは」と挨拶をしないと無礼
  • 🇮🇳 道を尋ねられた時、分からない場合も適当な回答でいいので何かを教えてあげた方が親切

仕事編

  • 🇦🇺 名刺を渡す時は、片手で渡す
  • 🇻🇳 仕事中に小休憩は必須だし、家族からの連絡などもある。スマホを使うのは全く問題ない

交通編

  • 🇲🇽 電車の中で、電話し放題・音楽かけ放題、大声での車内販売もアリ
  • 🇮🇹 バスの運賃を支払わずに乗車する人が多数
  • 🇮🇳 電車の切符を購入する時、女性優先で列の先頭に割り込む。並んでる男性は列後
  • 🇮🇳 扉が閉まる前に乗り込むことが優先。降りる人も押しのけて乗車

食事編

  • 🇮🇳 豚肉は穢れなので食べないし、牛肉は神聖だから食べない
  • 🇩🇪 食事中のすする音は、本当に気持ち悪い。麺類でも許せない
  • 🇹🇼 食事中のゲップは仕方がないこと、全く問題ない
  • 🇻🇳 食事中の咀嚼音は、特に気にしない

登場した国旗メモ

🇲🇽 メキシコ
🇨🇳 中国
🇫🇷 フランス
🇦🇺 オーストラリア
🇻🇳 ベトナム
🇮🇹 イタリア
🇮🇳 インド
🇩🇪 ドイツ
🇹🇼 台湾


他の国で当たり前とされている事が、「当たり前」だと思えないよ…

そうだね!相手と自分が感じる当たり前が違う事を知るのが、異文化理解のはじめの一歩だと思うよ。

自分が「当たり前」だと感じている事で、他の文化圏の人に不快感を与えていることもあるんだよ。


どちらの国の文化が正しいのか、というのは全く意味のない議論です。簡単にどちらが良い・悪いと決められる事ではないからです。国や地域が異なれば、文化が異なるのは当たり前の事。

違いを見つけた時に自分の価値観でジャッジするのではなく、相手の文化や風習に興味を持ち、違いの背景を知ろうとすることが大切です。


最後に

「郷に入れば郷に従え」と言う言葉があるように、他所の土地や環境に入ったときは、自分の習慣を突き通すのではなく、その場所の習慣やしきたりに従うのが吉。

それは、日本人が海外を旅行するときもそうですし、逆に外国人が日本を訪れる時にも言えること。
自分が嫌だと思ったら、我慢せずに「自分はこう感じた」ということを、相手に丁寧に伝えることも大切です。


筆者のひとことメモ

特に、不快感と直接結びついている事象は、簡単に認識を変えられないと痛感しています。

ラーメンを「ずずず」と啜る音が、気持ち悪くて耐えられない日本在住10年のドイツ人の話を聞いた事があります。
一度、「啜る音は、気持ち悪い」とインプットされると、それがどうも拭えないようなのです。日本で10年暮らしていて、麺は啜る文化があると理解していても、不快感を感じる自分を変えることはできないのです。

同じく、筆者は、「くちゃくちゃ」と音を立てて食べる地域の人と一緒に食事をするのはどうしても苦しいです「咀嚼音は、気持ち悪い」とインプットされてしまっているため、異文化と理解していても気持ち悪く感じてしまいます。

このように、全ての異文化が自分に合うわけではありませんし、合わせなければならないというわけでもありません。

自分の文化の価値観が全世界に通用するわけではない、ということを頭の片隅に置いておくだけでも、異文化理解の大きな一歩だと考えます。

それでは、また!